翌日、土日を利用して仲原 ここあさんのいる街へと赴いた。



もっと遠い街にいると思っていたけど、以外にも近場の街にいた。



近いとは言っても東京ではなく、関東あたりの県だけど。



お父さんは本当に用事があって朝から出て行ってしまい、今日はおばあちゃんも来ていない。



お父さんからもらった地図と行き方を睨めっこしながら向かっていると、赤いレンガの大きな家に辿り着いた。



「ここなのかな…?」



もう一度、地図をみるとここで合っているようだった。



それにしても。



(大きな家だな…まるでお屋敷みたい)



「本当にここであっているんだよね」



などど疑問を与切らせていると、後ろから女の人の声が聞こえてきた。



「あら、あなた」



「!」



そっと後ろを振り返ると、そこには上品な雰囲気の持ったお母さんに似た綺麗な女の人がいた。



(この人、もしかして)



「美沙樹 響ちゃんよね?」



「あ、はい。あの、あなたが゛天仲 ここあ゛さん?」



「ええ、そうよ。桜戸〈おうと〉さんから聞いてるわ、よくいらっしゃったわね」



「あ、はい」



ここあさんはの笑顔はやはりどこかお母さんに似た感じに見えた。



「さあ、中にどうぞ♪」



「あ、はい」




ここあさんのお家は、外観と同じように中もとても広く綺麗なお家だった。



いったいここあさんって何者なのだろうか。



「どうぞ」



促されたテーブルでキョロキョロしながら待っていると、ここあさんはキッチンからケーキとお茶を運んで来てくれて、私の前に出してくれる。



「あ、ありがとうございます」



入れてくれた紅茶を一口飲むと、フルーツのフレーバーの香りが口の中に広がった。



「わあ、おいしい」



「ふふ、よかった。
実はねこの紅茶私のオリジナルなのよ」



「そうなんですか?」



「響ちゃんが来るって聞いて用意してたの、喜んでくれて嬉しいわ。ケーキも食べて見て、これも手作りなの」



これも手作りなんだ。



ケーキも一口食べると、ケーキ全体にストロベリーが練り込まれていて口いっぱいにストロベリーの甘酸っぱく優しい味が広がってとても美味しかった。



ここあさんは手作りが好きな人なんだ。



「素敵なお家ですね」



「ありがとう」



「お1人で住まれているんですか?」



ここあさんは結婚しているかどういう人なのかもお父さんは何も言ってくれてなくて、私は何も知らない状況で来たから。



ただ、お母さんの従姉妹というだけで。



「ううん、夫と住んでるの」



「あ、そうなんですね」



年齢は分からないけど、お母さんよりは若い感じはする。



お母さんが私を生んだのが20歳前半だと聞いていて.お母さんはまだ30代の後半だから、きっとここあさんも前半のそのぐらいなのだろう。