やはり、これは遺書なんだ。



私は手紙を読み終えた後、なぜか私は落胆するかのように悲しい気持ちになった。



「お母さん……」



手紙の内容は私達においての謝罪と美実さんへの思いがほとんどだった。



それと私に向けての言葉だけど、どういう意味なのかはよく分からずにいた。



ただ、分かったのはお母さんも知っていた事。



自分が死ぬ事を。



お母さんのお葬式も済んでしまっていて、お墓がまだないから骨はまだ家にある状態だけど。



お母さんのご両親の所に入れてあげたいと思っているけど、場所は知らないしお母さんはそれを望んでいないのかもしれない。



おばあちゃんは、こちらの方にいれても良いと言ってくれているけど。



お父さんはお母さんのご両親の方に入れてあげるべきじゃないかって言っているけど。



いったいどうするのだろう?




「ただいま」



「お父さん…おかえりなさい」



お父さんが家に帰ってきて、私は見つけた手紙をお父さんに手渡した。



「ん?どうした」



「あのね」



お母さんからの手紙をお父さんに渡し内容を読むと、お父さんはしばらく呆然となり悲しそうな表情を見せていた。



「………」



(お父さん)



それからお父さんは返しをするかのように、私にある事を尋ねてきた。



「お母さんの実家のこと知りたい?」



「えっ」



(お母さんの実家って…美実さんのことでもあるよね)



お父さんはお母さんの実家のこと知っているようだけど、私はお母さんの実家のこと聞いたら哀しい表情をするから聞くべきじゃないと思ってそれ以来一度も聞くことはしなかった。



でも、今回の美実さんやお母さんの手紙を読んで、私は本当は知るべきではないのかもしれない。



でも本心では『いったい何があったのか』『どうしてこんなにもお母さんは苦しんでいたのか』『どうして美実さんは憎んでいるのか』『お母さんはどうして私を守ろうとしていたのか』『お母さんはどうして美実さんから逃げようとしていたのか』そして『私の幼い頃何があったのか』と私は心のどこかで知りたいと思っている。



お母さんの実家の事、『本当は知るべきではない』『足を踏み込んではいけない』『知らない方が幸せ』だと、そう思い込んでいる。



でも本当は知りたいんだ。



「うん、知りたい。
どうしてお母さんが殺されなきゃいけなかったのか」



本当はお母さんが殺される理由なんてあるはずなんてないんだ。



本当に人は愚かで残念な感情を持つ。



どうしてそんな感情を持ってしまうのだろうか。