美実さんがした事はやってはいけない事だけど、どうしてあの人はお母さんを殺したのか分かりじまいである。
私は大好きなお母さんを殺されて「なんで?」という気持ちは持てても、あの人に対して憎しみ苛立ちのような気持ちは持っていない。
心が落胆しても、そのような感情を持つのは人として良くない気がしたから。
そもそもだ、そもそも私は美実さんの事を何も知らない。
心はいつも落胆する感情でいっぱいで、できるだけ表に出さないようにしていた。
ぼーっとする事は多いけど、表に出すと情緒が弱くなり溢れかえってしまう。
お父さんからいつも「大丈夫?」と聞かれるが笑顔で「うん」と頷いている。
本当は大丈夫な訳じゃないのに、嘘の気持ちを出している。
ただ葉月くんだけは、そういう尋ねはしてこなかった。
「ただいま」
家のロックを解除し家の中に入った。
もうこの家にはお母さんはいないので、私の声に笑顔で反応してくれる事などない。
2階に上がりリビングの戸を開けると、そこには。
「あら、おかりなさい。響ちゃん」
(……お母さん)
「あ、ただいま、おばあちゃん」
お母さんが入院した頃から、心配で尋ねて来てくれて今ではほとんど毎日のように来てくれて家事をしてくれている。
おばあちゃんとは家が近い場所に住んでいる。
「ごめんね、毎日来てくれて」
「いいのよ。どうせ、暇だし。それにお母さん居なくなっちゃったんだし、大変でしょ」
「……うん」
お母さんとおばあちゃんはとても仲が良かった。
おばあちゃんが言うには、お母さんには祖父祖母という存在も居なかったらしく、ずっと憧れていて特におばあちゃんという存在が出来てとても喜んでいたんだと。
正式にはお姑という関係性だけど、それでもお母さんは喜んでいた。
「とても素敵な人だったのに。犯人捕まるといいわね」
「……うん」
おばあちゃんは美実さんの事は知らないみたい。
おそらくお母さんはあえて言わなかったんだろう。
私にお母さんの家族の事を今まで教えてこなかったように。
私は大好きなお母さんを殺されて「なんで?」という気持ちは持てても、あの人に対して憎しみ苛立ちのような気持ちは持っていない。
心が落胆しても、そのような感情を持つのは人として良くない気がしたから。
そもそもだ、そもそも私は美実さんの事を何も知らない。
心はいつも落胆する感情でいっぱいで、できるだけ表に出さないようにしていた。
ぼーっとする事は多いけど、表に出すと情緒が弱くなり溢れかえってしまう。
お父さんからいつも「大丈夫?」と聞かれるが笑顔で「うん」と頷いている。
本当は大丈夫な訳じゃないのに、嘘の気持ちを出している。
ただ葉月くんだけは、そういう尋ねはしてこなかった。
「ただいま」
家のロックを解除し家の中に入った。
もうこの家にはお母さんはいないので、私の声に笑顔で反応してくれる事などない。
2階に上がりリビングの戸を開けると、そこには。
「あら、おかりなさい。響ちゃん」
(……お母さん)
「あ、ただいま、おばあちゃん」
お母さんが入院した頃から、心配で尋ねて来てくれて今ではほとんど毎日のように来てくれて家事をしてくれている。
おばあちゃんとは家が近い場所に住んでいる。
「ごめんね、毎日来てくれて」
「いいのよ。どうせ、暇だし。それにお母さん居なくなっちゃったんだし、大変でしょ」
「……うん」
お母さんとおばあちゃんはとても仲が良かった。
おばあちゃんが言うには、お母さんには祖父祖母という存在も居なかったらしく、ずっと憧れていて特におばあちゃんという存在が出来てとても喜んでいたんだと。
正式にはお姑という関係性だけど、それでもお母さんは喜んでいた。
「とても素敵な人だったのに。犯人捕まるといいわね」
「……うん」
おばあちゃんは美実さんの事は知らないみたい。
おそらくお母さんはあえて言わなかったんだろう。
私にお母さんの家族の事を今まで教えてこなかったように。


