ずっと一緒にいた。



大切にしてくれた。



少し普通とは違う愛情を向けられていたけど、いつだってお母さんは私を一番に向けていてくれていた。



守ってくれていた。



だけど、もう…どこ探しても居ないんだ。



結局、私の力って何の意味があるんだろう。



身近な人の夢を見れても危険を察知する事は出来ないんだ。



私は結局、お母さんに何をしてあげれていたんだろう。



ただ、お人形としていたのかな。



重荷になっていたのかな。




お母さんが美実さんによって殺されて数日が経った。



だが、美実さんの姿が行方不明で未だ捕まっていない模様である。



そして、同じように白石さんも未だに学校へ来ていない。



もしかしたら、白石さんは美実さんと一緒にいるのではないかと思っている。



お母さんが亡くなってから2日程何もする気が起こらずただぼーっとする事があったけど、今でも心が無になると苦しい感情が追いやられて襲ってくる。



苦しくて同仕様もないくらいに悲しくて仕方ない感情が。




「………」



「あの響…大丈夫?」



「響ちゃん」



お母さんが亡くなって以来ぼーっとする事が多くなった私を玲杏ちゃんと弥佳ちゃんは心配に接するようになっていた。



「ああ、大丈夫だよ」



「雑誌、持ってきてないの?」



「ああ、うん。なんか読む気なくて」



1人でいる時はいつもなら雑誌を読みながら嬉しそうにしているはずなのに、それ以前に昨日はいつも読んでるファッション系の雑誌の最新号が出ているはずなのに、本屋さんにも赴く事も買う事も頭に入っていなかった。



「そっか」



「じゃあ私達行くね」



「うん」



2人はきっと気を遣って1人にしてくれたんだと思う。



なんとかしないといけないと思うけど、気持ちが追いつかない。