それからーお母さんが退院できる事を聞いた。



(その日って明後日だよね。日曜か)



お母さんがようやく帰ってくると思うと、嬉しく思わずお母さんに抱きついた。



「ちょっと、響?」



「だって、嬉しんだもん」



「そうだね」



「うん♪」



これで元に戻れる、戻れるんだ。



きっと、美実さんももう来ないんだ。



そう願いたい。



窓に目を向けると少し暗い明かりに変わっていたので、そろそろ帰ることにした。



「じゃあ、そろそろ帰るね。あ、お父さんは今日来れないって言ってたよ」



「そっか」



「うん、じゃあね」



挨拶して帰ろうとしたら、お母さんが低い声を掛けられる。



「ねぇ、響」



「何? なにか持ってきて欲しい物でもあるの?」



「ううん、違う。響…聞いて」



その声はあまりにも真剣なもの言いだった。



私は不思議に思いつつもベッドサイドの椅子に掛けた。