願う先にある想い

それから病院へ向う準備をし玄関で靴を履いていると、玄関の扉の解除の音がして扉が開く。



「あ、響。今から行くんだ」



「お父さん」



扉から現れたのは、午前中に病院へとお母さんに会いに行っていたお父さんの姿だった。



「ん?どうかした?」



「ううん。そういえば、母さんの所行ったんだよね」



「ああ」



「お母さん…普通だった?」



こんな事を聞くのは少し変だったような気がしたけど…。



昨日の事もあって、なんとなくお母さんの事が心配になっていた。



「? まあ、ケガの痛みも治ったみたいだし、体調も良い方だったよ」



「そ、そっか」



お父さんの言葉に私はほっと安心した。



「どうした?」



「あ、ううん…何でもないよ」



「そうか?」



「うん。じゃあ、行ってきます。あ、後でまた来るんだよね?」



「ああ」



「うん、分かった」



私は少し駆け足で家を出た。



(少し不自然だったよね)



でも、大丈夫なら安心だよね、きっと。



病院に着きふと時計に目を向けると、既に3時の針が刺していた。




「あちゃあーちょっと遅くなっちゃった」



お昼摂ったり色々していたり、していたら遅くなってしまったようだ。



「まあ、いいよね」



(………)



なぜか分からないが、変な感覚が体に漂っている。



ただ、お母さんの病室に向かっているだけなのに、足取りが重く感じる。



近付くにつれて変などよめきが心に嫌な予感を思い起こさせる。



(何、この感情は…?
さっき家で起きた感情と一緒だよ)



「何、変な事考えているんだが」



と自分に言い聞かせ、軽く頭をたたく。



心を切り替えるように足取りを少し早く歩いた。