もうすぐ10月半ば、お母さんの怪我は少し深かったせいであまり動けずじまいだったけど、痛みはまだあるみたいだけどだいぶ良くなってきたみたいだ。



あの時、お母さんが学校に居たのは、ちょっとした用事で寄っていてたまたま私に気づいたのだと。



いったいなんの用事で学校に来ていたのかは教えてはくれなかった。



あれから、美実さんは現れていない。



というのも、あの時 気が付けば美実さんはいつの間にか姿が消えていて、どこに行ったのか分からず。



もしかして、諦めてくれたのかな? と考えつくけど私自身そうとは思えない。



だって、あの夢が気がかりで仕方ないから。



学校があるけど、なるべく毎日病院に訪れた。



運ばれたのは学校近くの病院だったけど、今は私の町の病院だ。



今日は休みの日もあって、葉月くんが訪れに来てくれた。



結局、葉月くんをちゃんと招待は出来なかったけど、私はよくお母さんに葉月くんの事を話した。



そんな私にお母さんはとても嬉しそうな顔で微笑んでくれた。



最初、お母さんは葉月くんの事、男の子だから私に対して警戒を向けていた。



昔からお母さんは私に男の子には「近付いちゃダメ」「話しちゃダメ」「仲良くしちゃダメ」と言われ続けられていた。



その為、小学校まではお父さんと男性教師の人以外は男の子とは無縁の生活を送ってきた。



元々、力のせいで男の人が苦手だったので中学もそのまま男の子がいない女子校に進むと思っていた。



でも、玲杏ちゃんが今の学校に行きたいと言い私を誘ってきた。



正直、男の子がいる学校なんて想像出来なくて不安があったけど、玲杏ちゃんがいたし男の子に近付かなきゃいいと思って、誰とも親しくなる事なくこれまでやってきた。



だから、今でもクドいように言われ続けられている。



だけど、葉月くんは他の男の子とは違っていた。



お母さんは警戒していたけど、私が葉月くんの事 納得できるように話すと、お母さんは少しだけ理解してくれた感じだった。



ただ、葉月くんに対して妙な事を言っている気がする。



心がどうとかどういう事なのだろうか。



私は葉月くんの心が聞こえないから分からないのだけど、まさかと思うけど…まさかね。