「なあ架菜。この子に何か用事…」



私のかわりに葉月くんが白石さんに尋ねようとしたら、葉月くんは何かの異変を感じたのか言葉を切り、咄嗟に私の腕を引っ張り体を引き寄せた。



(!?)



「やっぱり話しってそういう事かよ。架菜」



葉月くんは白石さんが私に何をしようか気付いていたようだ。



突然の事にすごく驚いたが、私が立っていた場所に目を向けると、1人の女性がナイフを持って驚いた目を向けながら立っていた。



「あんた……っ何やってんだよ。関係者が入ってくんじゃねえよ」



荒々しい口調で葉月くんはその女性に向けて放つ。



「えっ…!?美実さん…」



(今、何…したの?)



なんでここにいるの?



話しってこういう事なの?



そこにいたのは思いもしない人物だった。



「何やってるんだよ!?」



葉月くんは驚愕な眼差しで美実さんに放った。



途端、前にいる白石さんが葉月くんに向けて声を出した。



「もうーーー優弥ーー! 邪魔しないでよぉ」



「はあ?」



白石さんの不可解な言葉に葉月くんは目を向き、彼は私の体からそっと離れる。



「美実さん」



「!?」



白石さんの合図と同時に、美実さんが私に襲い掛かりナイフを振り下ろした。



「あっ!?」



「チッ避けたか」



(なんで!?)



なんとか避け切る事は出来たが、刃が手に当たってしまった。



「っ」



「美沙樹!」



どうして美実さんが私を殺そうとしてるの?



どうして……!