願う先にある想い

葉月くんは私を助けようと近付くが、白石さんが止めに葉月くんの手を掴む。



「ダメだよ、優弥。あの子に近づいちゃ、ケガするよ」



「何考えてんだよ!殺されそうになってんのに助けなきゃダメだろ!!」



葉月くんが強く言い放つが、白石さんは何とも思わない表情で淡々と答える。



「それでいいのよ。あの子が居たからこうなったんだから、殺さなきゃいけないじゃない」



「なっ…に、言ってんだよ!?」



白石さんの言葉はあまりにも普通じゃなかった。



まるで何かに取り憑かれているような感じだった。



葉月くんは唖然となった様子で、訝しそうに白石さんを見る。




ふいに美実さんが呟く。



「この際、あんたを殺せばあいつはひどく悲しむ。
その顔を想像するだけで優越感がくるわ。本当はあいつを殺すだけであなたのことは生かしてあげようと思っていたんだけど…。頼まれてしまったのだから、仕方ないよな。…不運だと思って。どうせ同じ血を持っているから、どっちにせよ死んでしまうんだから、誰かによって…」



「えっ」



そうニヤッと不適な笑みを浮かべる。



(今のどういう…)



最後の言葉の意味深な言葉に異様な違和感を感じた。



「!?」



と、また美実さんは襲いにかかってきた。



「美沙樹!?」



「ダメよ、助けちゃあ!」



私を助けようとする葉月くんの腕を強く掴み、行かせないようにする白石さん。



「ちょっ!!」



「あっ!?」



ジリジリと来る恐怖心が体に渦巻き硬直して、上手く動けない。



あの時感じた美実さんに対する恐怖感、あれ以上に勝るものがあった。



ナイフが私に振り落とされる。



(いや…お母さん!)