一緒に帰ったあの日、教室から葉月くんが疲れた顔をして出てきて、白石さんが教室で沈んだ様子で佇んでいた理由が気になっていた。



その事を葉月くんに聞いてみると、今回はちゃんと答えてくれた。



葉月くんは白石さんを怒鳴りつけたらしい。



白石さんの話しを聞いたからかもしれないけど、葉月くんは耐えられなかったのだろう。



それから数日が経ったある日、その日の昼休み購買に用事があったので必要な物を買って購買を出ると、中庭に向かっている葉月くんを見かけた。



(葉月くんだ。どこいくのかな？）



「………」



私はなんとなく、彼の後を追った。



(なんか様子が…)



少しだけ葉月くんの様子がおかしい感じに見えて、なんとなく追ってしまったがすぐに異変を感じる。



(っ)



彼に近付くにつれて何か異変を感じた。



なんだかいきり立っているようなオーラを感じた。



（どうしたんだろう？）



だから私は、そっと声を掛けた。



なんだけど……。



「あの、葉月くん…」



「何！？」



私の声に強い言い方で放たれた。



「ひゃっ」



「あっ」



その声にびっくりして小さい声で上げてしまうが、すぐに葉月くんは冷静を取り戻した。



「ごめん…」



「ううん、大丈夫。どうかしたの？」



「あーうん」



「なんかいきり立ったオーラ出てるよ」



「そっか」



私がそう言うと、葉月くんは少し悲しい表情をして話しだした。



葉月くんはもういいかげんにしてほしかった。



だから、また白石さんに怒鳴りつけたらしい。



今度はもっと強い言い方で。



前のも効果はなかったという訳ではないが。



なんで、白石さんはあんな感情を持ってしまったのだろうか。



本当はもっと優しい子だと思うのに。



何でなんだろう……？



それにしても、以前も思ったけど葉月くんから出るあの禍々しいオーラは何だったんだろう。



白石さんに対する感情から来るものなのだろうか。



どちらにせよ、少しだけ気にはなる。



心の声は聞こえないけど、オーラとかは分かるから。