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「ごめんね、せっかく来てくれたのに」



「いいよ、気にしてないから」



美沙樹に誘われ彼女の家に訪れると、あいつが元母親だったあの人が訪れていた。



美沙樹のお母さんとは姉妹で単に遊びに来ていたらまだ良い方なのかもしれない。



でも、あの人はそういう人ではない。



あの人は美沙樹のお母さんに何か恨みを持っている感じだった。



そして、美沙樹自身にも何か仕向けるようだった。



あの人の家族は遠に亡くなっていると父さんから聞いていたけど、美沙樹のお母さんの事は知らなかったのだろう。



あの人は言っていなかったのだろう。



幸い俺ら親子には恨みは持っていないのは幸いだった。



そもそもあの人と俺はまともに話していた記憶など毛頭にない。



母親としての事などしてもらった事もなかった。



それにいつもどこか出掛けていてあの人の存在など、母親としての単なる肩書でしかない。



家に居ても鬱陶しい存在でしかない。



それに家にいればいる程、壊されていくばかりだったから。



そんな疫病神みたいなあの人が俺は嫌いだった。



どうして父さんはそんな人と再婚したのか、どうしても理解が出来ないでいる。



もう２度会いたくなかったのに、関わりたくなかったのに。



本当にあの人はどういう存在の人間なのだろうか、未だに理解不能である。