夜、寝に自分の部屋に入る。


明日の準備をし制鞄に手を伸ばす。


「あ」


ふと目についた鞄に付いているキーホルダー。


「……」


思わず凝視する。


凝視すると同時に葉月くんを思い出す。


「……っ」


気持ちが揺らぐ。


「はあ…困ったな」


本当にどういう顔をすればいいんだろう。


「…はあ」


準備をしたあと、ベットに潜り込むように倒れる。


以前のように嫌な感じは本当になかった。


なかったんだけど、でも、すごくもどかしい感じなのはどうしてだろう。


それがすごく嫌だ。



「優しい感じだった…」


葉月くんに抵抗がないのは、白石さんとはよくしていたからだろうか。


私は葉月くんの何なのだろう。


ただのクラスメイトなのに…。


気分が滅入る。


「……寝よう」


そう思い、目を深く瞑った。