願う先にある想い

私はそっと手を葉月くんに伸ばした。



その手に葉月くんは少しだけ肩を竦ませていた。



ふいに私の両手首を掴み、そっと近寄り自分の額を私の額にくっつけてきた。



「葉月くん…?」



まぶたを閉じて、微かな吐息と些細な声が耳に響いた。



小さな声なのに、私にははっきりと聞えた。



「じゃあさ、助けてよ。俺が君に話せるようになるようにさ。…言っておくけど、結構難易度高いよ?」



「……頑張ります」



「自信なさげだな。むしろ心配になるよ」



そう言って、またクスクスと笑う。



「…もう、逃げたりしないから」



「じゃあ…お願いしようかな。期待は一切全くしてないけど」



「私も自信は全くないけど、できるだけ頑張ります」



無理に強がって意地を張ったとしても無駄な行為だ。



だったら、本心を言っておこう。



それが、私だから…。



(いや、本当に自信は全くないんだけど…)



「くっ…くくっ…そんなにはっきりと自信もないのに宣言するとか変でしょ、それ。そういう時は嘘でも強がって言った方がいいんじゃないの?」



おそらく小馬鹿にされている。



「だって、強がったって無意味だもん。むしろ本心を言った方がいい気がして」



「それは時と場合があるよ」



「そうなの?」



「嘘も方便って言うでしょ。まあ、美沙樹らしいけどね」



「褒められた?」



「褒めてない。ディスってるの」



「あ、そう…」



やはりバカにされていたようだった。



まあ、それでもいいか。