願う先にある想い

まるで水の中のようにゆっくりと流れるような感覚だった。



おそらく流されているそんな気がした。



それほど、その間が長く感じた。



「っっ!!?」



(えっ!?)



気が付いたら、葉月くんにキスされていた。



それは、以前されたように無理やりではなく、柔らかくて優しいものだった。



分かっていた事だった。



葉月くんが私に至近距離になった時から薄々気付いてた。



されるんじゃないかって。



それでも、いざされると驚愕で困惑が出る。



「…っ…うっ」



くっついて唇はすぐに離してくれた。



あまりの恥ずかしさに思わず、そっぽを向いて左手の甲で口を隠す。



「………」



(何だろう、これは)



心に妙な違和感を感じる。



「!? えっちょっと…待っーっ」



考える余地も与える事もなく、顔を向かせてまたキスをする。



葉月くんから感じる温もりが、熱に浮かされそうだ。



(ダメなのに…)



なんで嫌だと思えないんだろう。



以前はあんなに嫌だったのに…。