「で、どうしたの? 元気なさそうに、…まあ、言いたくないなら良いけど」


「………」


葉月くんは無理強いするような人でもない。


狙われた時は脅されたように問い詰めたられたけど、結局無理強いする言い方をしなくなっていた。


それまであんなに問い詰められてきたのにと、疑問に思うが。



「えっと…ここあさんに言われて」


「………」


でも、私の力を最初に教えたのは私だから、話してもいい気がした。



「天仲さん…」


ここあさんの名前を言うと、葉月くんは少しだけ思うものがあるのか、浮かない表情をする。



「ねえ、ここあさんと何かあったの?」


ずっと気になっていた。


なんでここあさんは葉月くんを気にしているのか。


「ここあさんはどうして葉月くんを気にしてるの?」


「それは…多分」


葉月くんもここあさんが気にしている理由を知っているんだ。


「俺の性格や感情が問題じゃないかな?」


「………」


ここあさんは知っているんだ、だからあんなにも気にする言い方をしていたんだ。



「あの人も力持っているんだってね」


「あ、うん。みたいだね」


どんな力を持っているかは聞いてないから知らないけど。


「聞いたの?」


「うん、あの人…傷付いた心を持った人が分かるんだって」


「傷付いた…?」


「何で傷付いているか分からないらしいけど、感情は見えるらしいよ」


「そうなんだ…」


ここあさんは葉月くんの心が見えてるんだ。


私には聞こえないし見えないのに。


ただ、オーラが感じるだけだ。