「けどね、何も理解しないのはだめだよ。ちゃんと状況を理解しないと、何も考えてないとかどうでもいいとか、本当に惨めで情けない人間になるからね」


「……」


(ああ、これだ)



葉月くんは親戚の方と合わせていたんだ。



「……できるかな、私」


自分の事も理解できていないのに、本当に理解なんてできるのだろうか。


(自信がない…)


「大丈夫だよきっと。美沙樹は俺と違ってまっすぐに出来てるからね」


自信満々で言われると、なぜか少しだけ勇気が出る気もする。


「俺に何度だって話してくれればいいよ。相談ぐらいは乗ってあげるよ。まあ、俺も大概やばいけど大丈夫な気がするから」


葉月くんだって色々悩みが多いのに、私に目を向けてくれて手を差し伸べてくれるなんて、やっぱり葉月くんは優しい人だ。



「最近、俺ね…自分の感情に柔らかく考えるようにしたんだ。母さんのこと話してくれたでしょ? それがちょっとだけど効いたみたいなんだよね。ちょっとだけなんだけどね」


「…!」


「それでも、やっぱり心は壊れたままだし、めちゃくちゃでどうしようもない。親戚は腹立つけどしょうがないから。
でもまあ…そういう片付けるのは1番いけないんだろうな」


申し訳無い気持ちでいっぱいいっぱいだ。



(私は本当にだめだな……)


情けなくて惨めだ。


葉月くんばっかり頼りすぎてる。