「………」



「今日の響、色んな意味で変」



「えっ」



玲杏ちゃんが私の顔を見て言う。



「ああ、そう?」



「食欲は戻ったみたいだけど、ぼんやりしてるよね」



「うーん、そうだね」



「そうだねって何かあったの?」



2人に言われる程に私はぼーっとしているのかと思うと、なんとなく情けなく感じる。



「何でもないよ」



そう言ってにこっと笑った。



確かに体調は良くなったけど、気分が滅入る。



そういえば、昔から私は落ち込みやすかった。



人の心が聞こえる力があると気付いた時、普通の人にはそういう力がないと知り、誰にも言えない事に落ち込んだ。



「はあ」



絶対にここあさんの話しを聞いてなったのだと言える。



教えて貰った事とはいえ、正直ショックがいたたまれない。



私ももし殺されるとされたら、夢に出てきて回避できずになるんだ。



それは、悲しい事だ…。



(そんなの嫌だな…本当に)



じゃあ、私の力は結局、なんの意味も持たなくて美実さんに説得していても、未来は何にも変わらなかった。



そういう事だったのか。



それでも、未来を持ちたいって思ってはいけないのだろうか。