もったいぶる言い方でここあさんは私に言った。



秘密…秘密とは心原の事だろうか。



私はここあさんの言葉をゆっくりと待った。



「心原の血筋にはもう一つ特殊なものがあるの」



「特殊? それは…感情か何か?」



まだ何かあるというの?



ただでさえ、何一つ良い事をもたらすものがないというのに。



「そうね、夢…かしら」



(夢?)



その時、ふいに私の力の夢の事が頭に浮かんだ。



「多分、あなたも見ているはずよ。心原の血を持っている者なら誰しも見る夢で、未来心原の誰かが死ぬという夢を見るのよ」



「えっ」



(殺される…!?)



驚愕な言葉を耳にした。



「どういう事?」



「確信となった時、ふいに現れるの。予知夢の夢よ。
誰かが殺されるとか、誰かが事故で亡くなる夢とかね。その夢は確信を持つもので未来は決して変わらないって事よ。ただし、心原の血を持つも者に限られるの」



「じゃあ、お母さんのって」



「ええ、見たわ。私の母も。美実もね」



「見た本人が殺したって事なの?」



「そうね…」



そんな力があったなんて、じゃあおばあちゃんのもそうなんだ。



でも、私はお母さんが殺される夢なんて…。



「響ちゃんも見てるはずよ。記憶が残っていれば」



「…記憶?」



その瞬間、脳裏に蘇った記憶が走った。



そうだ、私…見たんだ。



お母さんが未来亡くなる夢を。



でも、あの時お母さんは…。