「お母さんはどうだったの?」



お母さんも同じだったのだろうか。



お母さんも狂気な感情になっていたとここあさんは言っていた。



「そうね、由理ちゃんは結構酷かったかな。
落ち込みが激しかったんからね」



「そうなんだ、じゃあ、美実さんは?」



「美実は気付いた既になっていたの。
早々となっていたから」



「じゃあ、つまりそれはおばあちゃん達が仕向けたの?」



「そうね」



どうして、自分も狂気な感情があると理解しているはずなのに、回避させようとできなかったのだろうか。



「どうして…?」



「それは、簡単な事よ」



(あ、そっか)



ここあさんの言葉に私はすぐに理解してしまった。



今までの話を聞いていれば簡単な事だ。



単純な想像すればすぐに理解するものだ。



「おばあちゃんも狂気な感情に支配されていたから、怒りが止まらなかったんだね」



「…そういう事」



「でも、おじいちゃんは止めなかったの?」



「止めなかったのよ。被害が被る事を分かっていたから。仕方ないのよ、一度狂気の感情に支配されると止まれないの。結局、理解仕掛けてもまた狂気の感情に支配されて批判を向けるのよ」



でも、幽霊になったおばあちゃんと話したけど、反省している感じだった。



生きていた時は、自分を制御できないのだろうか。



死んだら分かるもの…?



そんなの理解する事なく終わってしまうのだろうか?



「生きてる間は分からないままなのかな? じゃあ、美実さんもずっとああなの?」



お母さんはどこか理解している感じだったけど、けど対処する事さえもできない感じだった。



じゃあ、私が美実さんを止めてお母さんが死なず方法などなかったのかもしれない。



どっちにせよ狂気な感情を生んでしまう。



その為に守られていた。



そういう運命だった、という事か。



「それはどうかしら、私にも分からないわ。
けど、どっちにせよ美実はもう自由にはならないわ」



お母さんの心も美実さんの心もここあさんの心も、普通の人の感情とは曖昧で悲しみのある感情を感じる。



美実さんは恨みと一緒に奥底には、何か求めるような感じがあった。



本当は助けてほしかったんだと思う。



だけど、誰もその想いに気付いてあげられていないのだろう。