「……はあ」


結局、葉月くんと出掛ける事になってしまった、今日この日、私は駅前広場でぼんやりした感情で葉月くんを待っていた。


ていうか、男女が出掛けるこれっていわゆる。


(デートというものだよね?)


世間から言わせれば。


私、男の子と出かけた事など一度もないんだけど。


というか、お父さんと2人きりで出かけた事もないぐらいなのに。


「大丈夫かな?」


色んな意味ですごく不安だ。


そういえば、葉月くんの存在は私にとって初めてな事ばかりだ。


「あ、早いね」


色々な事を考えていると、葉月くんがさわやかなキラキラした表情で現れた。


私服は何度か見た事があるけど、なんというか、相変わらずかわいい感じだ。


葉月くんはかわいいとか思われるのはあまり好きじゃないと言ってるのに、その割には服装のデザインとかは何気にかわいかったりする。


まあ、葉月くんって見た目はかわいいけど、結構男の子って感じで手や骨格は男の子である。


「こういう時って普通女の子が遅く来ないかな?」



「それって、デートの話しでしょ? 別にデートじゃないよね」


「まあ、それもそうだね」


白石さんと付き合ってた時は、白石さんが早めに来ていたのだろうか。


興味本位でなんとなく聞いてみる事にした。


「白石さんは早かったの?」


「うん? …あー架菜とは待ち合わせのデートとかした事ないからわかんない」


「えっそうなんだ」


意外だった。


別に気になるって訳じゃないけど、これは興味本位だ。


少しだけ、白石さんとどういう付き合い方をしていたのか気になった。


あくまでも興味本位なのだけど。


「まあ、それはいいとして」


「?」


「かわいい服だね。もしかして、おしゃれしてきたの?」


「えっ」


突然、びっくりするような発言をしてきた。


「いや、別に…出掛けるから」


「うん、そりゃあそうだよねー。じゃあ、行こっか」


「う、うん」


少しだけびっくりした。


けど、別に嫌な感じではないのは事実だ。