それから数日が経ったある日の事。



「あの、今日家に来ない?」



その日、私は白石さんがいないのを見計らって葉月くんに家に来ないかと誘ってみた。



「えっ今日?」



「何か用事ある?」



「いや、いいよ」



「そっか、ありがとう」



前にお見舞いに来てくれた時にお母さんが今度は食べに来てほしいと言われたので。



正直、お母さんが男の子に対してこんな事言うなんてとても不思議で仕方ない事だけど、もしかしたらお母さんは葉月くんの人柄に許したから言えたのかもしれない。



実際、こんな事絶対にありえないんだけど。



突然葉月くんに誘って困るかなっと思ったけど、承諾してくれたから良かった。



「?」



「どうかした?」



「ううん」



最近、ちょっとだけ彼と近付いている気がする。



それが、とても嬉しかったりする。



このままが続けばいいな。



白石さんはまあ、いつかは大丈夫なるだろう。



そんな甘く浅はかな感情を持っていた。



だけど、この時私は何も知らなかった。



これから起きようとしている真実に。