「葉月くんってさ、機嫌の差にすごく不安定な時ない?」



葉月くん達を見ていた玲杏ちゃんがぽつりと私に言う。



「ああ、うん。…そうだね」



それはすごくある。



波が大きくなったり小さくなったりと、反動に差があり過ぎて、時折ヒヤヒヤしそうな感じがある。



「そういえば、体調良くなったんだね」



「えっ」



ふいに弥佳ちゃんが私に言ってくる。




「ああ、うん。
でも、まだ食欲はそんなに出ないんだけどね」



「そう」



「でも、この前の響は死にそうなぐらいにフラフラだったよね」



「そんなに?」



自分では気付いていなかったけど、そんなに酷い状況だったんだ。



少しは食べるようにしているけど、正直液体状しか飲んでいない気がする。



葉月くんと出掛けた時もゼリー系やドリンク系しか頼まなかったし。



でも、このままじゃ栄養が偏りそうだ。



とは言っても、食欲がないから致し方ない。



悪夢さえ消えれば、食欲が出ると思うのだけど。



(困ったな〜)