これは夢?


現実?


諦めた方がいい、これはあなたの運命だから。



これは心原の血に生まれた人間になったからには、避けられない運命だから。



だれかの声が聴こえてくる。


まただ、まだ狂気の感情に呑み込んでくる。


もう、嫌だ。


こんなの私じゃない。



「っ!?」


(あれ…?)


「夢…」


あれからずっとこんな夢ばかり見ている。



そのせいなのか、疲れが日に日に増していて寝ているのに全く疲れが取れない。


むしろしんどくて仕方ない。


だから、感情も食欲さえも出てくれないのかもしれない。


原因を突き止めようとも、方法が分からないからどうしようもない。


「………」


そういえば、私はどうして寝ているののだろうか?


でも、いつ倒れたのだろうか?


記憶がない。


むくりと起き上がると同時に扉が開く音が聞こえた。


「!」


(保健室…だよね)


誰が運んでくれたのだろう?


そういえば、意識を失う前に階段でつまずきそうになった所で誰かが助けてくれた筈なのだけど、誰が助けてくれたんだろう。



「あ、目が覚めたんだ。よかったー! 運んだ時、保健の先生居たんだけどね、用事あるとかで出て行っちゃったんだよね。「戻るまで見ておいて」って軽く言われたんだよね、まったく」


カーテンを開ると、葉月くんが現れ保健の先生に対して小言を言う。


(そうだ、思い出した。助けてくれたのは葉月くんだ)