願う先にある想い

「なんだろうな。女子ってあんな風に突然豹変するもんなのかな。なんか怖くてさ」



歌菜との事を話した後、俺は浮かない表情で呟いた。



「そ、そんな事ないよ!そりゃあ白石さんみたいな子いるかもしれないけど、みんながみんなそうじゃないよ!
だって私はそんなひどい事絶対にしないよっ」



俺の気持ちに否定するように美沙樹は強く放った。



(えっ)



美沙樹の顔を見返すと彼女の反応に少し驚いた。



「み、美沙樹?どしたの?」



「えっ」



「泣いてるよ」



「あっ」



俺に指摘されてようやく泣いている事に気づいたらしい。




「はい」



何気なく制服のズボンのポケットからハンカチを出し渡した。



「ごめん。うう」



更に美沙樹は溢れるように小さく泣き始める。



「み、美沙樹!?」



「ごめんなさい…。でも、葉月くんがそんな思いをしていたなんて、そんな事ないのにぃ…」



「いや…そんなに泣かなくても」



泣く美沙樹に俺はどうしたらいいのか分からず、思わずうろたえる。



「えっ…っと」



こういう場合どうしてあげればいいんだろう。



(あ、そうだ)



俺はそっと彼女の頭に手を載せ軽く撫でた。



「!」



いきなりだったのか美沙樹は驚いたのかぴくっと俺の顔を見る。



「あ、ごめん」



「ううん」



一瞬、嫌だったのかもと思ったけど、そうではなかったみたいだ。