願う先にある想い

葉月くんはそのままベットの近くの椅子に座り、手に持っている袋に手を入れる。



(?)



そういえば、目を覚めた時居なかったけど、どこへ行ってたんだろう。



そんな事を思っていると、目の前に黒と白の物体を差し出された。



「えっ…おにぎり?」



差し出してきたのは、コンビニで売っているようなおにぎりだった。



おそらく食堂で売っているおにぎりを買って来たのだろうけど。



でも、自分で食べる為に買って来たのは分かるけど、なぜ私に差し出したのだろう。



「あの…これ」



「食べて」



「えっでも…」



「食べて」



食べてって言われても、食欲ないしそれに固形物なんて喉に入らない。



「………」



中々手に取らない私に葉月くんは苛立ったのか、近寄りおにぎりを私の口に無理やり押し付けた。



「…ふぐっ!?」



「食べて!」



葉月くんの強い言い方に根負けしてしまい、押し付けられたおにぎりを両手で持ちひとかじりした。



ひとかじり、ほんの少しだけのひとかじりをした。



なぜか食べれた…。



(おいしい…)



数日ぶりに食べた固形物はとても美味しく感じた。



「…何があったか知らないけどさ、食べないと体力弱くなるよ! 七咲が言ってたけど、お昼食べないでどこか行ってるって」



葉月くんは真剣な表情で私に諭す。



そうは言っても、本当に食欲なくて食べれないって言っても理解してくれるだろうか?



「本当に食欲がなくて…」



「だからって食べないままっていうのは良くないよ」



分かってる。



食べなきゃいけないのは分かってるけど、口に喉に入らない。



さっきはなぜか入ったけど。