葉月くんのお母さんはどうして夢に入り込んで来たのだろうか?



何か伝えたい何かがあるからだろうか。



〈優弥に伝えてほしい事があるの〉



やはりそうだ。



そうではないとおかしいから。



〈あなたはきっと助けになる子になると思うの。
だから、助けてあげて〉



助け?



私が葉月くんの助けになれると言うのだろうか?



そんな自信なんかない。



けど、女の人は自信満々で私に告げる。



〈優弥は私と同じような感情を持ってしまっていて、全てが私に似てしまっていて、でも私の存在で優弥を苦しめている。けど、これ以上優弥を苦しむ姿を見たくないの〉



そっか、葉月くんがおかしくなってしまっているのは小さな頃からの蓄積で、何かの衝撃的な出来事で傷が開いてしまったのだろう。



それが、治らなくなってしまった。



人間の心は非常に脆くて弱い。



いつ何時に何が起きるかなんて知ったこっちゃない。



そういうことなのだろう。



私が先程起きた事と一緒だ。



私は何ができるというのだろうか?



そもそも何が出るというのだろう。



〈出来るできないかの問題じゃないわ。ただ優弥を思ってるか思ってないかの違いなのよ。だって、あなた気付いているはずだから〉



気付いているって何を?



分からない…。



何を言いたいのかが分からない。



そしてまた、景色の雰囲気が大きく変わった。