「正直さ、あいつが元に戻るなんて信じてない。
けど、あいつはいつだって許せない事ばかり募っていくだよ。だから、余計におかしくなっていくのだろうな」
「………」
私はいけない事を言っているのだろうか。
葉月くんを知りたいだなんて、浅はかだろうか。
「優弥が最近、更に変になっている事知ってるよね?」
「えっうん」
篠原くんは真面目そうな目で私に問いただしてくる。
「美沙樹は何かしたの? 優弥が助けてくれたんだよな?」
「うん…。でも、葉月くんは助けれていないって言うの。もし葉月くんが思い詰めてるのは私のせいなのかなって。お母さんが言ってくれた言葉をただ美実さんに言っただけなの。それだけなの…」
『どんな人間にも価値がある』という言葉に葉月くんは衝撃を持って傷付けてしまったというのならば、私は彼に何を言ってあげれば良いのだろう。
彼の心の闇を知れば知る程にどんどんどんどん分からなくなっている自分がいるのも確かだ。
真実さんはいつだって怖い。
怖いけど知らなきゃいけない事だってある。
葉月くんは知らない方が良いと言うけど、私は知りたい。
それが、どんな結末が待っていようとも。
「そうか…」
「私は何も知らないし、何も分からない事ばかりなの。葉月くんを知りたいって思っちゃだめなのかな?
…そりゃあ、私は弱いし鳥籠の小鳥のように守られて生きてきたけど、知らなきゃ何も変わらない気がするの」
けど、葉月くんのお母さんの話しを聞いて、可哀想だと思っても、ちゃんとは理解できないのだろうか。
「私には葉月くんを理解するなんて難しいのかな」
理解してあげたいのに、手を差し伸べてあげたいのに、その一歩が出てくれない。
そんな悩む感情に篠原くんは水を指すような言い方をする。
「辞めた方がいいと思うよ、そういう感情を持つの」
「えっ?」
「変な勘違いして優弥に別の勘違いになったりしたら嫌だろ?」
「何が…?」
篠原くんは何が言いたいのか、私には全く分からなかった。
「だからさ、知らなくていいんじゃないって言ってんの」
溜息混じりに言われた言葉は、まるで私と葉月くんを突き放したいような感じだった。
突き放すのも何も、別に近寄ってもないというのに。
けど、あいつはいつだって許せない事ばかり募っていくだよ。だから、余計におかしくなっていくのだろうな」
「………」
私はいけない事を言っているのだろうか。
葉月くんを知りたいだなんて、浅はかだろうか。
「優弥が最近、更に変になっている事知ってるよね?」
「えっうん」
篠原くんは真面目そうな目で私に問いただしてくる。
「美沙樹は何かしたの? 優弥が助けてくれたんだよな?」
「うん…。でも、葉月くんは助けれていないって言うの。もし葉月くんが思い詰めてるのは私のせいなのかなって。お母さんが言ってくれた言葉をただ美実さんに言っただけなの。それだけなの…」
『どんな人間にも価値がある』という言葉に葉月くんは衝撃を持って傷付けてしまったというのならば、私は彼に何を言ってあげれば良いのだろう。
彼の心の闇を知れば知る程にどんどんどんどん分からなくなっている自分がいるのも確かだ。
真実さんはいつだって怖い。
怖いけど知らなきゃいけない事だってある。
葉月くんは知らない方が良いと言うけど、私は知りたい。
それが、どんな結末が待っていようとも。
「そうか…」
「私は何も知らないし、何も分からない事ばかりなの。葉月くんを知りたいって思っちゃだめなのかな?
…そりゃあ、私は弱いし鳥籠の小鳥のように守られて生きてきたけど、知らなきゃ何も変わらない気がするの」
けど、葉月くんのお母さんの話しを聞いて、可哀想だと思っても、ちゃんとは理解できないのだろうか。
「私には葉月くんを理解するなんて難しいのかな」
理解してあげたいのに、手を差し伸べてあげたいのに、その一歩が出てくれない。
そんな悩む感情に篠原くんは水を指すような言い方をする。
「辞めた方がいいと思うよ、そういう感情を持つの」
「えっ?」
「変な勘違いして優弥に別の勘違いになったりしたら嫌だろ?」
「何が…?」
篠原くんは何が言いたいのか、私には全く分からなかった。
「だからさ、知らなくていいんじゃないって言ってんの」
溜息混じりに言われた言葉は、まるで私と葉月くんを突き放したいような感じだった。
突き放すのも何も、別に近寄ってもないというのに。