葉月くんのお父さんは、意外にもあっさりと承諾してくれた。



「なんか、女子高生とこうやってお茶するなんて、なんか危ないおじさんとか思われそうじゃないかな?」



《傍からみれば援交とか思われて怪しまれていないかな?》



「………」



この人は、ホント心の声より顔で何考えているのかわかる人だ。



それに、かなりの小心者だ。



心の芯は強く感じるのに、見た目通りに気弱な人だ。



(なんだろう、少し面白い)



葉月くんと正反対で一切似てなさすぎる所が。



「優弥に見られたら、何言われるんだろう?
「何やってんの?」と蔑まれそうだけど」



というか、性格はあれだけど葉月くんは出来すぎなくらいにしっかりしているけど、こう言っちゃあなんだけど、だいぶ歳のいった大人な方なのに気弱でしっかりしていない感じだ。



「あ、あの…」



「へっ? あ、ああ…ご、ごめんね。僕、10代女の子と話す機会なんてめったにないから緊張しちゃって」



「大丈夫ですよ。制服じゃないし私服で休日なので。
お父さんとお茶してるとしか見えませんよ」



不安を取り除いてあげようと、一応フォローいれてあげてみた。



「お、お父さん! そうだよね!」



よほど嬉しいのか、なぜか興奮気味の反応をされた。



(困ったな。話しが進まないな…)



「あの、お話しても大丈夫ですか?」



そろそろ本題に取り掛かりたいと思うのだけど。



「えっ…ああ、そうだね。
話をするために来たんだよね,ごめんね」



(マイペースな方だな)



なんとかして、ようやく本題の話しに踏み込む事が出来た。