美沙樹だってきっと無理に決まっている。



「…あ……ご、ごめんなさい…。
私…そんなつもりじゃ…なかった…の」



(ほらね)



美沙樹は怯える顔で今にも泣きそうな、どうしたらいいのか分からない表情を向けていた。



試したかったんだ。



けど、無理があったんだ。



美沙樹がどんなに優しくて真っ直ぐでも理解なんて難しい事に。



「あ…あ…ごめんなさい…っ」



「!」



美沙樹はそのまま閉じた瞼から涙が吹き出て、俺から逃げるように屋上庭園から出ていった。



「……」



分かってたよ。



美沙樹が俺を知りたいと言う事は、俺の黒い部分や俺が母さんに対する部分を知るという事だ。



それはあまりにも、受け入る事が困難で難し過ぎる事だ。



「分かってた…よ…」



美沙樹は自分に対しての心は強くても、他人に対する心が強くないことを。



何を期待していたのだろう?



何を求めていたのだろう?



俺は美沙樹に何をしてほしかったのだろう?



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