「はあ、昨日はまた寝れなかった」



翌日が学校と思うと寝る事が出来なくなった。



昼休み、いつものように屋上庭園の円形のベンチに仰向けになる。



叔母さんの酷い罵倒や天仲さんの優しい言葉が胸に突き刺さる。



最近1人になるとなぜか泣きそうになる。



腕で顔を隠して唇が身震えする。



「…っ」



いつからだろう。



いつから俺はこんなにも自分が惨めで醜く思うようになったのは。



「はあ、楽に死ねたらどんなにいいのに」



それは、単なる独り言で思っただけで、本心では思ってはいない。



とまあ、何度も言うようだけど独り言だったのだけど。



「えっ死ぬなんてダメだよ」



なんで、いつもタイミングよく俺の目の前に現れたりするのだろう。



「美沙樹…ただ言っただけだから、本気にしないで」



「あ、そっか、そうだよね。あは」



美沙樹みたいな子が1人でもいたら良かったのにと思うなんておかしなはずだ。



身内でも俺からすれば興味のない人間だ。



「横座ってもいい?」



「うん」



俺は起き上がる事なく寝転がったまま頷いた。



美沙樹はそのまま俺が横になっている頭の隣に腰を掛けた。



「……」



美沙樹はなぜか俺を気にするように見やる。



「何?」



「頭痛くない?」



「別に…」



「膝枕とかしようか?」



「えっ…いや、いいって」



「そうだよね」



いきなりの発言に思わず驚いてしまった。



(何を言い出すんだろう、この子は)



「……ねえ、してくれる?」



別に何かをしてほしい訳じゃない。



ただ、美沙樹といると感情が安心する気がするから。