「…別に助けなくて良かったのに」



「ダメだよ! 優弥のかわいい顔に傷付けるなんて、そんなの絶対にダメだよ!」



「俺はお人形さんか。女子じゃないんだから。
どうせ父さんは、俺の顔が母さんと同じだから母さんとして見てるからそう言うんでしょ」



「違うって…! 僕は本当に優弥を思って」



「あーはいはい。わかったよ」



あの後、色々一悶着な会話が起こり、なんとか叔母さんは帰っていった。



単にまた俺の事をボロクソに言うつもりだったらしく、でも父さんに担架を切られて居心地悪さで帰っていったのだった。



俺は父さんみたいに担架切れる程勇気なんてない。



「料理作れる? 手伝おうか? 大丈夫?」



「大丈夫だよ、そんなに心配しないでよ。
治ったから大丈夫だよ」



「…そうか」



オロオロ言う父さんは頼りなく父親の威厳というものは全くなくて、同仕様もない父親だけどいつだって俺の唯一に味方でいてくれている。



「ねえ、父さん」



「ん?」



「俺って…何なのかな」



「えっ」



「俺はさ本当は理解してくる人が欲しかったのかなって思って。変だよね、他人なんか興味なんてないのに」



俺は自分で自分を求めていたのだろうか。



悔しい程に悲しくて羨ましい。