願う先にある想い

「待って、優弥くん」



ふと助けるように天仲さんが割り込むように入ってきて腕を掴む。



「ああ?」



叔母さんは苛立った表情で天仲さんを睨みつける。



「優弥くんは怪我して縫って、ようやく治った所なの。重い物は持たせないであげて」



「知らないわよ、そんなの。怪我してようが悪化しようがどうだっていいわよ。私は女性でこいつは男なのよ」



「確かに女性に優しくするっていうのは本質的にあってるけど、あまりにも図々しくないのかしら?
なんでそんなに上から目線なの? あなた何様なの?
そんな事を言って恥ずかしくないの?」



「他の人には優しいわよ。でも、こいつは疫病神の血の通ったそっくりな人間よ。生かされてるだけ感謝してほしいわね」



父さんの親戚の人間はみんな俺と母さんの事を奴隷の人間と思っている最低な人達だ。



天仲さんには理解できない事だと思う。



「大丈夫ですよ、俺なら」



「でも、こんなの人の扱いじゃ」



「しょうがないじゃないですか。俺は疫病神の息子ですから。誰も母さんの事など最初から理解する人は居ないんですから」



「…っ」



美沙樹がここにいたら何と言うだろう。



あの子は真っ直ぐで優しいから「こんなの間違ってる」って言うのだろうか?



本当に良い子だからな、あの子は。



俺には眩しすぎるぐらいだ。



「わ、私はっ…優弥くんを理解するよ!」



「!?っ」



振り返ると、天仲さんは美沙樹と同じ真っ直ぐな目で俺に訴えていた。