願う先にある想い

「それは、俺ー」



「クズは俺」だと答えようとした時、感情が脅かすものが迫ってきた。



「やっと見つけた! 家にいろって言ったよねっ」



「………」



「誰?」



突然の登場に天仲さんはキョトンとした顔で小声で俺に尋ねる。



「父の妹で、俺の叔母さんです」



「あんたね、家に行ったら兄さんも居なかったじゃない。あれほど居ろって言ったでしょうが」



「……ああ、すいません。買い物に出かけていたんで」



いつものように嘘の感情の笑顔を向ける。



その笑顔に天仲さんは驚いた顔で目を張る。



叔母さんはいつものように小言を吐く。



わざとらしい似合ってもないメイクと服装をし若いアピールをしたいのだろうか。



父さんとは大違いで、自分の事しか思っていない人間だ。



正直、どうでもいいし興味さえもない。



「ねえ、何してんの?」



そして、俺の事を荷物運びや奴隷のようにしか見ていない。



「女性がここにいるんだから、荷物が持つのが筋でしょうが」



この人は何と勘違いしているのだろう。



「ああ、すいませんね。
荷物俺も持ってるんで気付かなかったです」



「知らないわよ! そのわざとらしい笑顔止めろよ。
癪に障るのよ」



本当、この人に人の心ってあるのだろうか。



人を傷付けるだけ傷付けて、決めつけるだけ決めつけて悪い人間としか見ていないこの人に、人の本質なんて興味ないのだろう。



俺が他人に興味を持てないのと同じじゃないか。