願う先にある想い

「ねえ、どうして私が心原の秘密をあなたに話そうと思ったか分かる?」



「それは、美実さんと関係があったからですよね?」



確かに、天仲さんはどうして俺に心原の事を教えるとか言ったのだろう?



数年程身内になっていたからとしても、結局あの人の事は何一つ理解できるものなどなかった。



今でも俺は美実さんに対して理解などしていないというのに。



それは、おそらく理解しようとしていないから……。



(あ…)



同じだ…考えていることも思ってることも。



「だって似てるから」



「似てるって美実さんにですか?」



「美実というよりは私の弟に似てるの。弟も優弥くんみたいな感情を持ってるから。昔はだいぶ荒れていたけど、今は落ち着いているけどね。後は…」



弟さんと似ているから俺に教えたいと思っているのだろうか。



「誰も理解してあげれない感情って可哀想だと思わない? 私だって美実を助けたいと思っても結局は理解しようとしなかったから」



「同じですよね。俺や母さんを嫌ってる親戚の人間と。俺も美実さんを理解しようとしてないから。親戚の人間も理解しようとしてないから」



俺がどれだけ同じ事をしていたなんて最低だ。



自分が被害者のつもりでいるのだろうか。



「それは、違うんじゃない?」



「えっ」



「優弥くんは最初は理解しようとしたはずでしょ。
たとえ本心じゃなくても、でも出来なくなっちゃったんでしょ? 違う? その人達は最初から理解するつもりなんてない人でしょ? 傷付けるだけのクズなのよ」



クズ?



それは俺に対しての言葉じゃないのだろうか?



だって俺は。