「!?」
分かってしまった。
どうして葉月くんやここあさんやお母さんが、私にいつも真っすぐだと言ってくれていた理由を分かってしまった。
そうさせてくれてのは、いつもお母さんだった。
ただ私はお母さんの言うことを守りたかっただけなんだ。
「違う…これは」
「えっ」
「違うのこれはね、ただ守りたかっただけなの。お母さんの言っていた『優しい心でいてほしい』っていつも言ってくれていて、その事をただ守りたかっただけなの。だからその…」
決して自分が決めた事じゃないから。
「ああ、そうか…そうだったんだ」
葉月くんは私の言葉に何かを理解し自分で納得した。
「!」
葉月くんの右手がまた伸びてきて頬を触ってくる。
「あの…」
「美沙樹は心がすごく純粋で綺麗なんだね」
「綺麗って…」
「そうじゃない? 裏切られたくないとか、そんなギスギスした感じじゃないでしょ? ただ大切したい想いがあったから真っ直ぐに強い心を持てたんじゃない?
美沙樹はさなんでもお母さんに言ってたんじゃない?」
「なんでもじゃないけど、言ってたかな。あ、葉月くんの事も言ったよ。すごい変な顔されたけど」
確かに何でも話していた。
けど、全てじゃない。
話せない事だってある。
「…俺は隠してばかりだから。言えない事の方が多かった。未だって難しい事ばかりだ。…ずっとね、美沙樹が羨ましくて、今でも羨ましいくて苦しい」
「……」
頬に触れていた手がスルッとベンチに落ちる。
落ちていった手がまるで、葉月くんの心を表しているようで悲しそうに見えた。
「葉月くん…」
「両親は信頼できるけど、昔のような真っ直ぐ理解出来なくて、分かってくれてるのは分かるんだけど、自分が納得できていない」
「………」
私には葉月くんの心を受け止める程勇気が持てない。
お母さんだったらどうする? どうしたら?
(違うよ…違う)
私が知りたいんだ、葉月くんの心を。
分かってしまった。
どうして葉月くんやここあさんやお母さんが、私にいつも真っすぐだと言ってくれていた理由を分かってしまった。
そうさせてくれてのは、いつもお母さんだった。
ただ私はお母さんの言うことを守りたかっただけなんだ。
「違う…これは」
「えっ」
「違うのこれはね、ただ守りたかっただけなの。お母さんの言っていた『優しい心でいてほしい』っていつも言ってくれていて、その事をただ守りたかっただけなの。だからその…」
決して自分が決めた事じゃないから。
「ああ、そうか…そうだったんだ」
葉月くんは私の言葉に何かを理解し自分で納得した。
「!」
葉月くんの右手がまた伸びてきて頬を触ってくる。
「あの…」
「美沙樹は心がすごく純粋で綺麗なんだね」
「綺麗って…」
「そうじゃない? 裏切られたくないとか、そんなギスギスした感じじゃないでしょ? ただ大切したい想いがあったから真っ直ぐに強い心を持てたんじゃない?
美沙樹はさなんでもお母さんに言ってたんじゃない?」
「なんでもじゃないけど、言ってたかな。あ、葉月くんの事も言ったよ。すごい変な顔されたけど」
確かに何でも話していた。
けど、全てじゃない。
話せない事だってある。
「…俺は隠してばかりだから。言えない事の方が多かった。未だって難しい事ばかりだ。…ずっとね、美沙樹が羨ましくて、今でも羨ましいくて苦しい」
「……」
頬に触れていた手がスルッとベンチに落ちる。
落ちていった手がまるで、葉月くんの心を表しているようで悲しそうに見えた。
「葉月くん…」
「両親は信頼できるけど、昔のような真っ直ぐ理解出来なくて、分かってくれてるのは分かるんだけど、自分が納得できていない」
「………」
私には葉月くんの心を受け止める程勇気が持てない。
お母さんだったらどうする? どうしたら?
(違うよ…違う)
私が知りたいんだ、葉月くんの心を。