「ねえ、ここあさん。何を葉月くんに言ってたの?」



「ああ、内緒よ」



「?」



気になったから葉月くん達が居なくなった後、ここあさんに尋ねてみたものの、教えてくれる事はしてくれなかった。



「ねえ、本当に優弥くんと普段話さないの?」



「えっうん…」



「どうして?」



「どうしてって、そんな親しい訳でもないし」



そもそも話し掛けた所で何を話したらいいのかも分からないし。



「気になる子ならむしろ話し掛けた方がいいと思うよ。そういうものでしょ?」



「それは、自分に自信がある人でしょ?
私はそういのじゃないから」



「…そう」



別に私は葉月くんを恋愛感情として見ている訳でもない。



だから、ここあさんが思っているような感情とは違うから。



「ただ、葉月くんは心配になるぐらいに不安定さを感じるの。どうしたら、不安を取り除けるのかなって思って」



(私じゃ難しいのだろうな)



「でも、仲良くはした方が…それに彼は。
なんていうか…えっと」



ここあさんは何が言いたいんだろうか。



「ねえ…友達いるんだよね」



「うん」



なんでそんな事を急に聞いてきたんだろう。



「その子達とは何かあったりしなかった?」



「? 喧嘩とか?」



「それもあるけど、その子に大きな怪我とか家族とかが不幸とか」



「?? ないよ?
小等部から友達だけど、一度もそんな事ないよ?」



ここあさんは何を知りたいんだろう。



「えっ? 本当に? 一度も」



「うん」



「そうなんだ…。おかしいな、なんで…」



「ここあさん?」



「ううん、なんでも…」



「?」



私の答えにここあさんの様子が少し変だったけど、特に気にしないでいた。