うちのクラスの出し物はカフェでカフェでもハロウィンモチーフのカフェである。



私は飾り付け担当の裏方だった。



文化祭は2日あって、私の斑は1日目が担当で2日目が自由日となっている。



葉月くんも同じ斑で、彼の担当はホールだったのだけど、相変わらずすごい人気だった。



「やっぱり慣れないな、このスカート丈」



決める時に弥佳ちゃんが絶対にワンピースにミニスカートの方がかわいいって言われたから作ったけど、履くとどう考えても違和感がある。



うちの学校は膝上以上の丈は禁止されてるのに、文化祭ではいいってなんか矛盾している気がする。


私は普段でも膝上5cmまでしか履いたことないのに。



「大丈夫。私もミニスカート履いたことない」



という弥佳ちゃんは「ロングでしょ?」と言いたいぐらいに、こっちでも矛盾していた。



「さーて、どこから回ろうか?
お化け屋敷がいいなー」



「杏ちゃん、お化け屋敷好きだもんね」



「お、お化け屋敷は…ちょっと…」



弥佳ちゃんは怯えた表情でビクビクする。



「弥佳ちゃんお化け屋敷苦手なの?」



「うん、ちょっと…」



「大丈夫よ、学校のお化け屋敷なんて低レベルだし」



そう言ってやってきたおお化け屋敷からは…。



「ぎゃー」



「もう無理ー!」



と言って、大きな悲鳴が部屋の中から聞こえ、出てきた生徒たちはビクビクと怯えていた。



「……無理だよね、これ」



悲鳴や怯えた光景に弥佳ちゃんが唖然と口を開けながら怯えていた。


「おっもしろそう!
これは高レベルを期待できそう!」



「ええ~!?」



怯えた弥佳ちゃんと比べたら玲杏ちゃんはわくわくと嬉しそうだ。



「響ちゃんも嫌だよね!?」



弥生ちゃんはよほど行きたくないのかかなり必死だ。



「私は…」



お化け屋敷は人が作った物で、雰囲気が怖がる人が多いだけで、たとえこういう本格的なものでも正直あまり恐怖というものがない。



例えば、いわくつきとか噂があるお化け屋敷というのはさすがに怖いけど。



私は霊感は一切なくて、霊の心とかも全然分からないし感じない。



私が分かるのは生身の人間だけだから。



「別に…人によって作られた物だし、全然大丈夫かな」



「え~嘘~行くのー?」



弥佳ちゃんの心が口に出している言葉と怖がり方が一緒だ。



嫌がる弥佳ちゃんに反して玲杏ちゃんは、弥佳ちゃんを無理やり引いてお化け屋敷へと入ったのだった。