「私にはね変な力があるの」



「変な力?」



私の発した言葉に葉月くんはキョトンとする。



「多分、生まれつきだと思うの。物心ついた時には、既に備わっていたから」



「………」



「私ね…人の心が分かるの」



「人の心?」



「うん。その人の考えている事、感じている事、見えたり聞こえたたりするの。時には奥底の感情まで…。
1mぐらいかな。それぐらい人との距離が近いと感じるの。あとね、夢もね過去から未来までの夢を見る事があるんだ。私の知っている人限定だけどね」



「………」



「だから、聞きたくない事を毎日聞く」



葉月くんは驚きはしていたけど、私の話をまっすぐに聞いてくれていた。



でも、対して反応もしない葉月くんに疑問を持ったの聞いてみた。



「あの、びっくりしてない?」



「えっ驚いているよ」



「あ、そっか」



どうやら驚いていていたみたい。



「嘘だと思ってる?」



「いや、君は嘘つかないでしょ」



「!」



信じてくれた。



「でも、すごいね。
理由は分からないけど持ってるんだ」



「うん」



「その事、誰かに話した事はあるの?」



「ううん、今回が初めて」



「!そっか」



家族でもなかった。



そういえば、お父さんさんは聞こえるけど、お母さんはなぜかボヤがかかって聞き取れない。



葉月くんも同じような感じだけど少し違う。



聞こえないから気にしてなかったけどなんでだろう…。