(どこだろう? どこに?)
早歩きで辺りを見渡して探すが、よくよく考えるといるはずがない。
「多分、あそこかな」
ふと思い当たる節に、私はそこへと足を向けたのだった。
【ガチャ】
「やっぱりいた」
思った通りに葉月くんは屋上庭園にいた。
夕方頃だから日差しがなく、むしろ少し肌寒い風だった。
というよりはここの屋上庭園は建物の位置のせいかあまり日差しが当たらないようになっている。
葉月くんは以前と同じ場所の円形のベンチに転がっていた。
意外と人が居ないのが幸いなのか、外からは騒がしい声や音楽は聞こえてくるが、ここは静かで穏やかな感じだった。
私はそっと足音を出さないように、静かに近づいた。
「寝てる?」
近寄ると猫耳フードを被って顔を隠して寝ているように見えた。
表情が見えないからよくけど分からないけど、寝ているのだろう。
その時、私ははなんとなく表情を見たくなって顔に手を伸ばした。
と、葉月くんの右手が私の伸ばしていた手を掴んだ。
「何?」
「!」
声に驚いて手を振りほどき逃げるように円形のベンチの反対側の位置に移動し、そのまま両手をベンチに添えたまま座ることはせず地面にしゃがみ込んだ。
「あ、あの…ご、ごめんんさい」
怯えるような小さな声で、下に顔を向けて謝った。
以前イキり立つように言われた言葉が頭に残っていて、嫌われているのではないかと少し怯えてしまった。
葉月くんがこちらに向かってくる足音が聞こえてくる。
そして、私の近くに座り込んだ。
「! …えっ」
(なんで?)
早歩きで辺りを見渡して探すが、よくよく考えるといるはずがない。
「多分、あそこかな」
ふと思い当たる節に、私はそこへと足を向けたのだった。
【ガチャ】
「やっぱりいた」
思った通りに葉月くんは屋上庭園にいた。
夕方頃だから日差しがなく、むしろ少し肌寒い風だった。
というよりはここの屋上庭園は建物の位置のせいかあまり日差しが当たらないようになっている。
葉月くんは以前と同じ場所の円形のベンチに転がっていた。
意外と人が居ないのが幸いなのか、外からは騒がしい声や音楽は聞こえてくるが、ここは静かで穏やかな感じだった。
私はそっと足音を出さないように、静かに近づいた。
「寝てる?」
近寄ると猫耳フードを被って顔を隠して寝ているように見えた。
表情が見えないからよくけど分からないけど、寝ているのだろう。
その時、私ははなんとなく表情を見たくなって顔に手を伸ばした。
と、葉月くんの右手が私の伸ばしていた手を掴んだ。
「何?」
「!」
声に驚いて手を振りほどき逃げるように円形のベンチの反対側の位置に移動し、そのまま両手をベンチに添えたまま座ることはせず地面にしゃがみ込んだ。
「あ、あの…ご、ごめんんさい」
怯えるような小さな声で、下に顔を向けて謝った。
以前イキり立つように言われた言葉が頭に残っていて、嫌われているのではないかと少し怯えてしまった。
葉月くんがこちらに向かってくる足音が聞こえてくる。
そして、私の近くに座り込んだ。
「! …えっ」
(なんで?)


