(どうしようかな?)



2人と別れて1人になりどうしようかと歩いていると、1人の女性に声を掛けられた。



「響ちゃん♪」



「ここあさん!」



そういえば、今日来るって言ってくれていた。



「教室行ったら居なかったから探したよ」



「ごめんね。担当は昨日だったの」



「そうだったんだ。それにしても、2日もあるなんて珍しい学校ね。さすが私立なのかな?」



「多分、学校の方針じゃないかな?」



「ああ、なるほどね。そういえば、1人なの?」



そう言って、ここあさんは辺りをきょろきょろとする。



「ああ、うん。友達は部活の方に行っちゃって、どこ行こうかと思ってた所なの」



「そっか、友達ってあの子?」



(えっそれって葉月くんの事だよね?)



「 葉月くんは友達じゃないよ」



クラスメイトだけど、よく話す関係でははなくて挨拶程度だから、別に友達という関係性ではない。



「えっそうなんだ…じゃあ友達って…まあいっか。
まあちょうどよかったよ」



「?」



ここあさんは何かを言いかけたけど途中で止めて、別の話題に移った。



(何を言おうとしていたんだろう)



「でも、遅くなったみたいでごめんね」



「ううん、全然。ここあさん行きたい場所ある?」



「そうね…このナイトハウス館っていうの行きたいな」



(えっそこって)



弥佳ちゃんが怖がったから玲杏ちゃんに行くのを止めさせた所だ。



「ここあさん、そこってお化け屋敷だけどいいの?」



「うん、お化け屋敷好きなの」



「へー」



(ここあさんもお化け屋敷好きなんだ)



苦手そうなイメージがあったけど以外だ。



やはり見た目と中身って違うものなんだ。



「……」



じゃあ、葉月くんもそういう事なんだろう。



彼はもっと異なったものなのだろう。



あれから私は葉月くんと一切話していない。



というよりは、いつも葉月くんと話しているわけではない。



話さない期間の方が多いぐらいだ。



きっと峰流さんの方が話している期間が多いだろう。



峰流さんみたいに自分から近づいたりしないし、また葉月くんも私に近づいたりもしないから。