「ねえ、杏ちゃん、弥佳ちゃん」



「んー?」



「私って…弱いのかな?」



翌朝、私はなんとなく2人に自分の事を尋ねていた。



「…だって、響はか弱いじゃん」



「そうだね、守られるタイプだもんね」



ここあさんと同じような答えが返ってきた。



(やっぱ、か弱いんだ、私…)



「はあ…」



「どうしたの、元気ないね」



「うーん」



自分が弱い事を思い知らせられる感じがした。



「優〜おはよう! よかった、今日は来たのね!」



「う、うん。昨日よりマシになったし」



「!?」


葉月くんの声にピクッと反応し、後ろを振り向いた。



「あ、今日は葉月くん来たんだ」



「左手包帯巻いてるね。…怪我したのかしら?
もしかして、昨日休んでいたのって怪我してたから?」



「………」



やはりあの左手を見ると、少しだけ心痛いものを感じる。



(私のせいなのにな…)



「いらねえよ、そういうの」



「何で?」



また峰流さんは葉月くんに近寄って親しげにしている。



゛羨ましい゛なんて思っちゃいけないのに、どうして羨ましく感じるのだろうか。



ずっと羨ましかったんだ、葉月くんが。



みんなに優しくて頼られて器用で頭の良い葉月くんが羨ましかったんだ。



結局私は守られているだけの存在。



望んでいたのに、決して望んでいないのに、いつも葉月くんは守ろうとする。



(やめてほしいのに…)



なんで伝わらないのだろう…。