【ピンポーン】



するとしばらくして、ふとインターホンが鳴った。



「あら、ちょっと待っててね」



数分してお母さんが扉を開けて、少し驚いた表情で「友達が来てるんだけど、通してもいい?」と尋ねてきたので、すぐに頷いた。



その時のお母さんの顔はなぜか不安そうな顔をしていたけど、頭がぼんやりしていたので気にはしなかった。



そして、お母さんが外に出ると同時にその人は入ってきた。



(えっ)



「葉月くん!?」



思いもしない人物に驚き、思わず起き上がってしまった。



だけど、すぐにめまいを起こしてしまう…。



「うっ…」



「あっダメだよ。急に起き上がったら」



すぐにベットへと横になる。



「ふう」



お見舞いしたいからという理由で担任の先生に住所を聞いて訪ねてきたそうだ。



「あの…どうして」



私はどうして彼がお見舞い来てくれたのか不思議だった。



「うーん、たいして用事はなかったんだけど。
その心配だったからさ」



(ああ、そっか)



彼の性質に気付いた。



(でも…)



「ありがとう」



「うん」



お礼を言うと、彼は微笑んでくれた。



優しい人なんだな彼は。



「………」



もしかしたら、彼なら…。



私は葉月くんを見ていると、私の誰にも言えないこの妙な力を彼なら理解してくれるような気がした。



私は意を込めて口を開いた。



「あ、あのね…葉月くん」



「ん?」



私は少しためらいながら声を発した。



「私の話しを聞いてくれないかな?」



「うん、いいよ」



「でも、変には思わないでね」



「?うん」



私は真剣な瞳で葉月くんを見ながらも、たどたどしく話し始めた。