「なあ、何してんの?」



「ん?」



零詩に気に食わない事をされているのだけど。



「何って弱い優弥を抱き締めて慰めてやってんだよ」



なぜか変な同情を向けられている。



「よしよし」



しかも、泣いてる子供を慰めているかのような扱いをされている。



「気持ちわるいんだよ!」



無理やり零詩の体を押して引き離した。



「お前なあ…まじでそういうのやめてくんない?」



「なんで?」



こういう時の零詩の天然ボケかますのは本気で腹が立つ。



「男同士で気色悪いだろうがっ」



「別に俺は気にしないし、友達しか思ってないし。
ていうか俺が好きなの歌菜ちゃんだし、全然」



「俺が嫌なの!しばくぞ」



「本当に口が悪いんだから…いつからそうなっちゃったのかね〜」



(そんなの俺が知りたいよ)



俺はいつから自分を苦しめるようになっていったのだろうって。



「まあ、別に良い人キャラ辞めるの別にいいけど、その口調は止めた方がいいよ。性格悪く見えるから」



「…それはそっか」



確かに自分の口の悪さは問題かもしれない。