願う先にある想い

私はただ知りたいって思っただけだった。



「ごめん…なさ…い…っ」



そんなつもりなんてなかった。



ただ、私は葉月くんの事を何も知らないから知りたいと思ったから、言っただけなのに。



「私は…ただ…知りたかっただけなのに」



「…知りたい?」



「何も知らないから…葉月くんの事を何も知らないから」



「…っ」



伝える口は微かに震えて、今にも下まぶたが熱くなる。



その直後、葉月くんの右手が伸びて頬を触る。



「!」



「ごめんね…そんな事思ってたなんて知らなかったから」



「……」



「別に俺は自分の心に対して言ってるだけで、別に…全てに対して言ってる訳じゃないから。ただ、傷付いてまで知る意味があるのかって言う意味で」



(あ…)



その時、初めて葉月くんの心の弱さに気付いてしまった。



葉月くんは弱くて臆病な人なんだ。



知りたいと思っても知ってはダメなんだ。



心が理由が分かってしまった。



葉月くんの心はずっと前から閉ざされているんだ。



だから、何も聞こえないし何も感じないんだ。



瞳に映った葉月くんの色は酷く弱々しく感じたんだ。