「優弥ー帰るよ。もう終わったから」
「あ、響ちゃん。いた」
ふいにここあさんとお父さんと葉月くんのお父さんぽい人がやってくる。
(葉月くんのお父さんかな)
何だろう、全く似ている要素がない。
「終わったの?」
「うん。あ、大丈夫? 歩ける?」
立ち上がろうとする葉月くんにお父さんは心配そうな顔で手を出す。
「小さな子供じゃないんだから、大丈夫だよ。
こんなの慣れっこなんだから」
不機嫌そうに自分で立ち上がる。
「ごめんな、なんか」
葉月くんの方が子供なのに、お父さんより葉月くんの方が大人に見える。
「あれ、君は…もしかして、美実の姪の子だよね」
「あ、はい」
「あなたが美実と結婚していた人?」
ここあさんは驚いた表情で葉月くんのお父さんに問う。
「はい、あなたは?」
「私は美実の従姉妹です」
それきりでここあさんと葉月くんのお父さんが口を交わす事はしなかった。
そして、葉月くんのお父さんは私に目を向ける。
「よかったね、無事で。
君なら優弥を治せるのかな、美実を説得できた君を」
「えっ」
意味深な言葉に目を丸くする。
「あ、あの」
「またね」
そう言って葉月くんのお父さんは病院の入口へと向っていった。
葉月くんも同じようにお父さんの後に着いていくが、何歩か歩いた所で振り返り、下を向いたまま私に近付いてくる。
「! …えっ?」
(葉月くん?)
目の前で止まるとそっと右手で右端の頬に触れる。
「……葉月くん?」
触れられると同時に葉月くんの目が合い、向けられる瞳はどこか哀しそうに見えた。
そして、今度こそ葉月くんは帰っていった。
「薬局 寄らないと」
「ああ、薬出てるんだよね」
「うん、いつものと痛み止め」
「そう」
(葉月くん…)
「あ、響ちゃん。いた」
ふいにここあさんとお父さんと葉月くんのお父さんぽい人がやってくる。
(葉月くんのお父さんかな)
何だろう、全く似ている要素がない。
「終わったの?」
「うん。あ、大丈夫? 歩ける?」
立ち上がろうとする葉月くんにお父さんは心配そうな顔で手を出す。
「小さな子供じゃないんだから、大丈夫だよ。
こんなの慣れっこなんだから」
不機嫌そうに自分で立ち上がる。
「ごめんな、なんか」
葉月くんの方が子供なのに、お父さんより葉月くんの方が大人に見える。
「あれ、君は…もしかして、美実の姪の子だよね」
「あ、はい」
「あなたが美実と結婚していた人?」
ここあさんは驚いた表情で葉月くんのお父さんに問う。
「はい、あなたは?」
「私は美実の従姉妹です」
それきりでここあさんと葉月くんのお父さんが口を交わす事はしなかった。
そして、葉月くんのお父さんは私に目を向ける。
「よかったね、無事で。
君なら優弥を治せるのかな、美実を説得できた君を」
「えっ」
意味深な言葉に目を丸くする。
「あ、あの」
「またね」
そう言って葉月くんのお父さんは病院の入口へと向っていった。
葉月くんも同じようにお父さんの後に着いていくが、何歩か歩いた所で振り返り、下を向いたまま私に近付いてくる。
「! …えっ?」
(葉月くん?)
目の前で止まるとそっと右手で右端の頬に触れる。
「……葉月くん?」
触れられると同時に葉月くんの目が合い、向けられる瞳はどこか哀しそうに見えた。
そして、今度こそ葉月くんは帰っていった。
「薬局 寄らないと」
「ああ、薬出てるんだよね」
「うん、いつものと痛み止め」
「そう」
(葉月くん…)