願う先にある想い

「…美実さん」



「何よ」



「っ」



やはり美実さんは心は恐ろしく恐怖を感じる。



でも、こんな所で屈したりできないから。



「美実さんは自分の存在の価値や意味はあると思いますか?」


「はあ、ある訳ないじゃない?あったらこんな事してないでしょ?」



「私だって自分の存在価値も意味なんてあると思いません。でも、お母さんは私の存在価値はあると言ってくれました。自分では分からないかもしれないけど、どんな人間にも自分の価値にはちゃんと意味があるんだと思います」



どんな些細な事でもいい、生まれてきた意味はあるんだ、とお母さんは言いたかったのだと思う。



きっと美実さんも意味があるんだと思う。



「何よそれ、意味なんて…」



「あると思います!
美実さんだって生きてるから生まれてきたから」



「ある訳ないつってんでしょうが!!」



「っ」



一瞬、打たれるかと思ったけど、叫んだだけだったようだ。



葉月くんやみんながハラハラするように見てる。



ふいに葉月くんと目が合う。



葉月くんの不安気な表情に私はほろこびを向けた。



「…美沙樹」



「あんたに何が分かるのよ。何も知らないくせに、守られてのうのうに生かされてきたくせに」



「………」



確かに私はお母さんに生かされて生きてきた。



「確かにそうですよ。私はお母さんに守られて生きてきたんです。あたなの事なんて何にも知らないですよ。
当たり前じゃないですか、知らないで生きてきたんだから。だから何にも分からないですよ」



「……あんたはどうせ、あいつの娘として生まれてきたからこんな目に合うのよ。恨めばいいわ」



恨む?誰を?お母さんを?



なんで恨まなきゃいけないの?



「お母さんは悪くないです…」



「はっ?」



「お母さんは私に対して何も悪くないです。
お母さんはただ守りたかっただけです」



そう、まっすぐにひたむきに私を守りたかっただけなんだ。



(まっすぐに…まっすぐ)



まっすぐだったんだ。



お母さんはいつだってまっすぐに信じていたんだ。



けど、それが出来なくなったんだ。