「ふわあ、おはよう」



「あ、おはよう。父さん」



父さんがあくびをしながらリビングに入ってきた。



「今日は随分早いな?」



「うん…友達の家に行くから」



「…そうか」



父さんはそのまま席に付き、コップに手を伸ばし口に流し込む。



「なあ、グリーンスムージー…やめないか?」


「なんで?美味しいよ。
今日のは作ってないよ、買っておいたやつだよ」


「うん…健康にはいいんだけどさ」



「父さんすぐに私生活が乱れるんだから、俺が小学校の時、肉ばかり食べて理唖さんに怒られたの忘れたの?」



「いや…うん、あいつは…うん…まあ…コーラ飲みたいな」



「絶対にダメ。あんなの脂肪を増やすだけの飲料に過ぎないだろ。まあ、コーヒーなら良いけど?」



「コーヒーは好きじゃない。…はあ本当お前はお母さんにそっくりになってきたな。口うるさいのもそっくりだ」



「それは父さんがダメダメだからだろ?」



若い頃の母さんの写真を見て、俺と母さんは本当にうり二つで、成長期を迎えた辺りからどんどん母さんに似てくる一方だった。



父さんの容姿は全くなく、一部の性格程度だろうと思う。



父さんと本当に同じ血が流れているのかと疑問が浮かぶぐらい似ている要素がほとんどない。



男で生まれてきた身としては、出来れば顔だけは父さん要素があってもよかったと思う。



母さんはかわいい容姿の人だから、かわいいと思われるのは正直歯がゆいものがある。



しかも、よく女子より肌がきれいだとか、焼けにくい体質なのか女子より肌が白かったりとかよく言われ、挙げ句の果てには女子に間違われるという。



その際に、女子以上にかわいいだとか。



一応、体の骨格だけ男なのは幸いだけど、見た目が細くて色白でかわいい容姿であまり高くない身長のせいか、初対面だと絶対に女子だと思われがちだ。



もう少し身長があってもいいと思うが、せめて170は欲しかったりする。



(あと、数cm程なんだけどな)



性格は男ぽいから、言うほど女子扱いというのはされないのは幸いだと言える。



これで本気で女子扱いされると、本気でキレるかもしれないけど。