願う先にある想い

それは、高1の春休みの事だった。



中学を卒業して4月からは進学した高校へと行く事になり、それまでの休み期間にそれは起きたのだった。



歌菜の事もあったけど、何より美実さんの事によって俺の家は破滅的状況だった。



これ以上の美実さんと暮らしていくのには限界があった。



去年あたりから家の生活費など泥棒するようになったので、家に現金を置く事をやめて全て銀行に預ける事で泥棒癖はなんとか回避したが、その代わりに家の物あちこちを壊されていく為、ある意味では破滅的だった。



そして、いつも当たるのは俺に対してだった。



口癖にいうのはいつも『殺してやる』という言葉だったが、殺意というものは感じなくて、ただ脅しとして使っているのだと理解していた。



父さんはどうすれば、離婚できるのか考えていた。



家の状況から見て、いや最初からこの人との生活は無謀だったんだ。



こんなの家族として言える訳がない。



だから俺は意を決して美実さんに告げたのだった。



父さんは内気で弱い部分が多いため、父さんが言っても丸め込まれるだけだ。



俺は母さん似だから気が強かったりもするから、相手に白黒はっきりと伝えれる。



美実さんがしてる事はあの女の子や歌菜みたいに理不尽でやっていいことではないから。



父さんのいる休日、美実さんがいつものようにフラフラと帰ってきて、帰ってきた途端に問い詰めたのだった。



『美実さん』



『何?』



『帰ってそうそう悪いんですが、話があります』



『んー?』



不機嫌そうな美実さんだった。



またお金がなくなったとかそういう程度だろう。



それはいつもの事だ。



父さんは一応美実さんにお小遣いとして毎月渡していたが、いつもすぐに使いきってしまう。



お金がなくなるといつも不機嫌そうに帰っては、お金を要求する。



渡さなかったら暴れるので、少量のお金を渡してはまた出ていく。



それが、父さんと美実さんの唯一の接しだった。