願う先にある想い

中3になったある日、突然俺に余裕が持てなくなった。



始まりはとても些細な事だった。



とても些細で怒る事でもなく、今までもこんな事はあったが架菜が怒る事などなかった。



歌菜はヤキモチを焼く性格だったが、でもムスッとする程度でその表情がかわいいと思っていたぐらいだった。



けど、俺が見た歌菜の光景は異常であの女の子以上の狂気だった。



1人のクラスメイトの女の子が単にいつものように話しかけた。



だた、それだけの事だった。



『優弥に近付かないで、優弥はあたしのものなの。近付かないで』



違和感を感じた。



゛俺は歌菜の所有物じゃない゛



何度も何度も注意してもしても歌菜は、俺に近付く女子全員へのいじわるな行動は止まる事はなかった。



そして同時に束縛するような行動を取り始めていった。



それ以上に酷くなるばかりだった。



歌菜の行動は恐ろしい程に異常だった。


俺は1人のある女の子、歌菜の幼なじみから歌菜の話しを聞いたのだが、歌菜が奇行な行動になったにはある理由があるからと教えてくれた。



歌菜には幼い頃両親に虐待を受けていて、一度施設に保護された事があった。



その後、虐待はなくなったが、その代わりに罵倒や奴隷のような扱いを家で受けている。



両親から一切愛される事なく育った歌菜は愛される事に異常な執着心があった。



その子が言うには、最初は良くされても後から人格が変わるようになる。



歌菜はそんな俺に執着していて、別れをいつ言われるのか怖くて1年目の間はずっとビクビクしていたらしい。



そして、1年間過ぎて何を勘違いをしたのか歌菜の心の中で大丈夫だと確信して、俺なら゛絶対にずっとずっと愛してくれる゛゛執着してくれている゛゛心が離れたりしない゛そう思い込み執着する心へと変わっていった。



けど、歌菜にとって俺は単なる欲求を満たす人間でしかないじゃないかとその子は言っていた。



愛情ではなく執着。



執着する事で愛される欲求を満たされる。



だから、誰にも渡したくない。



自分以外の女子なんていらない。



そんな異常な愛情表現が近付く女子に対して狂気に変わりいじめのような奇行な行動へと移り変わっているらしい。



単に歌菜は愛されたいだけだったと思う。



その時の俺は歌菜をこのまま放っておくのはいけないと、元の優しい歌菜に戻してあげたい一心に接していた。