願う先にある想い

中1の頃、突然美実さんと再婚した父さんに対して違和感というものを感じた。



父さんはずっと母さんだけを想っていたから、再婚なんてしないと思っていて、本人もそう言ってたから。



なのに、『なぜ?』と疑問が降り掛かった。



けど、すぐにその答えは見つかった。



俺は最初 美実さんにいつものように良い人と見られるように、気遣いや優しさを向けていた。



けど、美実さんは俺の気遣いや優しさに拒否したんだ。



そして、俺に言った言葉は『あんた、気遣いして良い人と思われたいの?』というトゲのある言葉だった。



『そんな事してあたしの機嫌取りでもしてんの?』



『そんなに他人が信用できないの?』



『あんたのやってる事って、単に自分が良い方向に向けたい為でしょ?』



更に続けて言われた言葉は全て俺に当てはまる言葉だった。



誰にも気付かれなかったのに。



父さんだって零詩だって、変わった俺を何も言わなかったのに、美実さんに見透かれていた事が何よりショックだったんだ。



この時、父さんがなぜこの人と再婚した理由が分かった気した。



父さんは心に闇のある人を理解してあげられる人で手を差し伸べてあげる人だ。



きっとこの人もそういう人なんだろうって。



おそらく父さんは本気で好きになった訳じゃない。



ただ、手を差し伸べてこの人の思いを汲んだだけだろうって。



なぜなら父さんは、母さん以外絶対に好きなったりしないから。



今でも父さんは母さんを思っているから。



美実さんを好きになったとかありえないから。