「歌菜がいます。歌菜の目的は美沙樹であって俺になるから。それにもし、美実さんが実行を移すとしたら止めるんじゃないですかね。それ以前に美実さんも何かを待っている気がします」
「待っているって何を?」
何を待っているかまでは分からないけど、あの人は意味をなくして実行に移すと言える。
「わかりませんけど、あの人はすぐには殺さないと思います。美沙樹に何の恨みを持ってるんですかね?恨みを持ってたのは、美沙樹のお母さんやおばあさんおじさんですよね? 美沙樹は何もしていないんじゃあ?」
「確かに、あの時は由理ちゃんをおびき寄せる為だった。そういえば、家族を殺したあの事件、警察の方には何かの揉め事が起きてそれが原因とされているって言っていた。でも、美実がやったとはいえ不自然な死に方をしているって言ってたわ。まさか…狂気を持っていない人間に殺意は向けていないって事?じゃあ、あの事件はどう説明付くのかしら?」
天仲さんの憶測は正解なのかはまだ分からないが、あの人は理由がなく人を殺したりはしない。
「確かにあの人は、俺の事をいつも狂気の目で殺しそうな勢いで俺の事を罵倒して傷付けてきましたけど、殺意という感情はなかったと思います。ただ、よく『殺してやる』という言葉はしょっちゅうでしたが。それは多分関わりがあったからでしょうか?それか…口止めする為の脅しだったかもしれません」
「?」
あの人に関しては分からない事だらけだった。
俺の事を罵倒や怪我などで今にも殺しに掛かってくる勢いは何度も何度もあったけど、決して手を出された事はなかった。
深い怪我はあったけど、でもたった一度切りだった。
ただ、俺ら親子に対して殺気や狂気という感情は感じられなかった。
美実さんと再会したあの時でも殺意は美沙樹のお母さんだけに対してで、美沙樹や俺には感じなかった。
何も感じなかった。
だからと言って、あの人が俺ら親子に残していったものは計り知れない恐怖だったが。
主に俺の精神が壊れてしまったから。
それが戻る事がどうしても出来ないんだ。
「待っているって何を?」
何を待っているかまでは分からないけど、あの人は意味をなくして実行に移すと言える。
「わかりませんけど、あの人はすぐには殺さないと思います。美沙樹に何の恨みを持ってるんですかね?恨みを持ってたのは、美沙樹のお母さんやおばあさんおじさんですよね? 美沙樹は何もしていないんじゃあ?」
「確かに、あの時は由理ちゃんをおびき寄せる為だった。そういえば、家族を殺したあの事件、警察の方には何かの揉め事が起きてそれが原因とされているって言っていた。でも、美実がやったとはいえ不自然な死に方をしているって言ってたわ。まさか…狂気を持っていない人間に殺意は向けていないって事?じゃあ、あの事件はどう説明付くのかしら?」
天仲さんの憶測は正解なのかはまだ分からないが、あの人は理由がなく人を殺したりはしない。
「確かにあの人は、俺の事をいつも狂気の目で殺しそうな勢いで俺の事を罵倒して傷付けてきましたけど、殺意という感情はなかったと思います。ただ、よく『殺してやる』という言葉はしょっちゅうでしたが。それは多分関わりがあったからでしょうか?それか…口止めする為の脅しだったかもしれません」
「?」
あの人に関しては分からない事だらけだった。
俺の事を罵倒や怪我などで今にも殺しに掛かってくる勢いは何度も何度もあったけど、決して手を出された事はなかった。
深い怪我はあったけど、でもたった一度切りだった。
ただ、俺ら親子に対して殺気や狂気という感情は感じられなかった。
美実さんと再会したあの時でも殺意は美沙樹のお母さんだけに対してで、美沙樹や俺には感じなかった。
何も感じなかった。
だからと言って、あの人が俺ら親子に残していったものは計り知れない恐怖だったが。
主に俺の精神が壊れてしまったから。
それが戻る事がどうしても出来ないんだ。


