願う先にある想い

「じゃあねー」



「うん、また明日ね」



放課後、掃除が終わると玲杏ちゃんは部活に向かうため先に教室を出ていった。



私も帰宅の準備ををしようと制鞄に荷物を入れていると。



「ねえ」



「えっ」



(篠原くん!?)



驚いた事に篠原くんに声を掛けられた。



気配がないようにそっと声を掛けてきたので、ある意味そちらの方が驚いた。



「あいつ、優弥とはどういう関係なんだ?」



「えっ」



(葉月くんの事?)



「昼休みの時、あいつと話してたろ?」



(あっ)



もしかして葉月くんと話していたの見ていて、何かを察したのだろう。



でも、どういう関係って聞かれると、正直どう答えるべきかわからない。



《もしかして…》



(なんか、誤解されている感じ?)



ここは正直に答えた方が良さそうだ。



「あ、えっとね、私が保健室に行ってたから、ただ心配して話し掛けてくれただけだと思う」



「あーなるほどな」



そういうと納得してくれたようだ。



そして、続けるかのように篠原くんは言う。



「まああいつは、困っている奴や病人とかはほっとけないタチだからな」



(やっぱりそうなんだ)



《だったら、あの子も困ってるんだから、掛けてやれっての》



(あの子って誰だろう?)



篠原くんの心の声に気になったけど、気にするべきではないのだろう。



「それなら安心したよ」



そう言って私から去っていった。



「そっか、そうなんだ…」



(って何でショックみたいな感情を受けてんだが。
…あれ、そういえば)



彼から感じる心の奥底の声が今までと違って普通だった。



でも今話しかけられた時、彼から感じるいつもの頭痛しなかったのはどうしてだろう。



(心の声はしたけど)



多分この痛みは、葉月くんに対しての怒りの表れから出ているものだろう。



だけど、この事は篠原くんに言えるはずもなく。



ましてや、葉月くんにも言えない。



その日からか分からないが、篠原くんからの心の感情から頭痛がしなくなった訳ではないが、マシになったのだった。